隙間を埋める

先生からの連絡は途絶えた。
きっと仕事で忙しいのであろう。安定剤を服用するようになってから毎日先生を想っている気がする。
今、先生がくれた形見という名の本を眺めながら一緒には聴いたことがない、 TOKYO NO1 SOULSETをわたくしは聴いている。
当時の記憶がよみがえった。


【中学生時代】
何故か先生とはクラスは違えども例えば修学旅行の列車では、通路をはさんで向かいにおりCDプレイヤーを奪われその夜、男子生徒ばかりの先生の部屋に取りに行った覚えがある。
この時わたくしが付けていたミサンガが前触れもなく切れた。
願い事は確か先生と一緒にいたい。だと思った。
考えてみたら高校生の時の修学旅行の飛行機では、通路をはさんで斜め後ろに先生はいた。
あの目付きで監視されているような気がした。高校生の時に仲良くしていれば修学旅行はもっと違ったであろう。

中学生の時、
どのタイミングか忘れているが小さな手錠の形をしたキーホルダーをもらったことがある。
先生がいつも制服のベルトループに付けていたものである。
たまたまではあろうかと思うが手錠には製造元の英語、わたくしと同じイニシャルが入っていた。