台風10号

それ以前から雨が続いていたせいか深夜になればトイレが冠水をし翌日には何事もない、そんな生活が1週間は続いていた。8月30日 夜 豪雨だった。町内巡回中のアナウンスカーが断水の恐れがあります。と、言った。家中にある容器に水を汲み浴槽に水を貯めた頃には電波も悪くなっていた。さすがに心細くなっていた頃に兄さんから電話が入り避難しなくていいか?と、言われたが避難所が家から近いので家にいる。と、言った。翌日、避難所が孤立した事を聞いた。橋は流され国道はあっという間に落ち濁流が流れ込み町全体が茶色になった。車ごと流された身内は未だに行方不明である。電波が無いので給水所をテレビのニュースで知った。近所のガソスタに友達が来ていたので少しながらの情報交換をし携帯電話の電波は昨日から繋がる状態になったが町中や隣町の断水はひと月は続くと聞かされた。天候のせいか身体中の痛みが強いが会う人、会う人に「りんならこんな状況ですっきりとした顔をしているからビビるわ!」と、言われる。焦ってもしゃぁないのだし受け入れるしかないのである。部屋の水回りはコック式のタンクやウォータージャグ、トイレ用にはポンプ式でタンクに水を入れる様にしてあるよ。と、友達に言ったらそんな画期的なのかい!やるわ!と、言われた。物事は考えようで無いのなら造れば良いのだ。今年は色々な事があった。今日、生きていればそれだけでいい。ただ、それだけでいい。