きっかけ

先生からメェルがきた。
俺の入っているコミュニティ、話が面白いから君も入っとき。
先生はメェルをしてくるきっかけが欲しかったのかもしれない。
現にコミュニティの話題で、観た?とか、俺はまだ観ていない。そんなメェルのやり取りをしている。
共通のものがあれば連絡はスムーズになる。
先生は経済学部で哲学ゼミ出身。
わたくしにしたら先生の話のほうが面白いのだが、一週間ぐらい連絡をとらないと何から喋って良いのか分からない。最近はお互いが観た映画の話をしている。
はたから考えれば男女が映画のメェルのやり取りをしているだけである。暇潰しではなくお互いの生存報告のようなものだ。似た者同士でも付き合えばうまくいかないのは中学生の頃から思っている。
そもそも先生は何故にわたくしのような人間の味方をしてくれているのであろうか。
ただわたくしが尊敬をしているといった感情にあぐらをかいているわけではない。
どぎつい男女がお互いを支えあっている。
傷を舐めあうような友情。
わたくしは人に悩みを言わないタイプであるが先生はうまく誘導をしてくれる。
先生が安定剤を服用するようになってからはあまり負担にならないようにしているがたまに頼ったほうが先生の生き甲斐になるような気がする。
今年の夏、
先生との想い出はまだ無い。

わたくしはそんなきっかけを探している。