不安感

昨日はクリニックの日であった。もう4年になる。
クリニックの先生はあまり変化のないわたくしにパキシルを増やすと言った。
わたくしはそれを断り逆にレキソタンを減らしても良いかと聞いた。
朝昼夜の昼だけ抜いてみるとかなら良いよと言われた。
全ては薬代の節約の為。クリニックで結婚や妊娠の予定を聞かれたが薬を服用している以上、妊娠などできない。
それ以前に生理は止まったままだ。
レキソタンに関しては三十日分しか処方してもらえないので毎月嫌でもクリニックに通わなければならない。
一時間以上もかけての通院。
この先なんて分からない。
夜シャワーを浴びながら先生のことを考えていた。 やはりわたくしは毎日の生活が不安でしかたがない。
ましてやレキソタンを減らせば毎日のようにまた死にたくなるであろう。
そうして高校生の頃から生きてきた。
不安なことがあるせいか先生の存在はわたくしにとって空気だと感じた。この息苦しい毎日に先生は酸素と光まで与えてくれる。
シャワーから戻ると先生から連絡がきていた。

先生は言った。

本格的に人生の区切りの付け方を検討しないと、やってられんわなー。 世間で思われてるほど薬じゃ死なんからなー。 あと何年かなぁ。君は健康で生きろよ。と、言われた。

飛び降りはビジュアル的に汚い。と、具体的なことまで言い出した。
先日からの不安感は先生の不安だったのだ。

先生は今夜、
三倍の眠剤を服用している。
そこまでしても働く理由。

『俺はプロだからね』