距離感

先生が言った。
いやぁ、しかし人間関係は難しいですなー。
イケメンであるとは言わないが何故かハイレベルなリア充に見られる俺だから周りが警戒するのかね。
女の影がちらついて見えるだの言われるし。
まったく不名誉な話だよ。

他者から見た先生の印象である。
わたくしは踏み込んで言ってみた。

りんは先生のことが好きだよ。

りんのすけの場合はあれだろ?
宗教みたいなもんで君が思っているほど俺まともな人間じゃないよ。

離れようとすれば先生が踏み込んでくる。わたくしが踏み込んでゆけば先生は距離を保つ。

わたくしは混乱する。2人で支え合っているのはまやかしなのであろうか。
幻想ならば何故あの時に先生はわたくしの命を救ってくれたのか、
何故、強く抱き締めてくれたのか。
優しくしてくれるのは先生自身の正義感の問題なのであろうか。それならば我が儘というものである。
ただ単に友人の死を怖がっている本心をごまかしているだけなのか。
わたくし達は同級生の死を経験している。
わたくしに限っては彼氏の死というものを経験している。
水死であったがその筋の人間であったので消されたという噂もあり真実は藪の中である。

先生に心をもっと委ねればわたくしは楽になれる。しかしながらどの心を委ねて良いのかが分からない。今の距離感では何かが足りない。

高校生の時に先生のことを諦めなかったならば今でも恋愛感情はあったのだろうか。
中学生の時に先生には彼女がいたがわたくしにミサンガを編んでほしいと言ってきた。
2人お揃いのミサンガ。
そんな風には戻れないのかな。

尊敬する先生へ。

世間に二極化されてもりんは先生のことが好きだよ。