15の夜

高校の時にね、男性の友達がいたんだ。ある夜、部屋で2人っきりで遊んでいたら先輩が入ってきたんだ。
おぅ、りん!元気だったか!つうか、何?何?2人で。俺邪魔か!?
そんなことないよ。と、言ったが先輩はラーメン食いに行ってくるわ!
すぐ戻ってくる?
すぐきて欲しい?分かったって!すぐ戻ってきてやるって!

こない。

わたくしは最終列車の時間になった。彼は駅まで送ると言ったが先輩と入れ違いになるから1人で帰れるよ。
いや、送ってく。なんて言っていたら先輩が戻ってきた。
なんだ!?帰んのか!?俺駅まで送ってやるよ!

なんか、ありがたいような複雑な気持ちで3人で車に乗った。布袋寅泰のメリーゴーランドを唄いながら。
駅に着き、ここまででごめんな!俺明日の朝早いのよ!
ならばなぜラーメンから早く戻らなかった。そしたら先輩が、
りんにCD貸してやるわ。CDチェンジャートランクん中だからよ!CD替えんのめんどくさいのね!と、言いながらトランクを開けた。

わっすれてたわ!タイヤ積んでんの!この奥にねぇチェンジャーあんの。だめだわ、タイヤおろさんと。

3人でタイヤをおろしたわね。
その1本が駅前の下り坂を猛スピードで転がっていった。

やっべ!3人で夜の駅前でタイヤを追いかけます!タイヤは交差点でも止まりません!あいにく車が来なかった為に全速力です。
結局、下り坂なん百メートルでタイヤを確保。今度は登り坂をゼーゼー言いながら転がします。
駅に着いたら今度は最終列車が来る合図です。

りん!走ろ!
いや、送って!
無理だ!
わたくしはまたもや全速力でホームを走りました。
ホームの反対側で、今度なんかおごってね!と、叫ぶと2人は笑顔で手を振りながら何かを言ってくれました。

後日、おごってくれるどころか脱衣じゃんけんをしました。
転がるタイヤで取り乱す。ゆく先は国道。

今でもメリーゴーランドのハウアーユウ!を聴くと下り坂を思い出します。