先生からの電話

夜8時に携帯電話が光った。マナーモードで放置をしている人間なのだが見ると先生からの着信で慌てて出た、が為にスピーカーのボタンを押してしまい小さな声が聞こえてきた。今かけなおすわぁ、と、言ってからすぐにかけなおしたら先生はハローと言い、あぁ…りんちゃん…帰ってきたからの電話…
法事で25日から30日まで帰ってくるのはメールで知っており時間の調整ができないので会えないのも分かっていた。すると先生は酔っているのかかなり呂律がまわっていないので何時に着いたの?と、聞くと覚えてないと言った。何時間ぐらいかかって着いたの?と、聞くと5時間ぐらいかなぁ。と、言った。そして、帰ってきた…友達は君ぐらいしかいないし…会えないから電話でもと思って…帰って、きたから…
膠原病なので身体痛くない?大丈夫?と、聞くと痛みはあるから薬を飲んで横になろうかなぁと思って…電話した…
あまりにも支離滅裂すぎて胸がつまったがわたくしは、うん、うん。と、声を聞いた。
すると先生は、今度会える時に…俺は…薬を飲んでいる…から…一緒には呑めない…けど…帰ってきたから…
薬で朦朧となっている先生はきっといつも自分は正常だと思い薬の量が増えているのではないかと危惧をしたと同時にわたくしは言った。
そこは先生の実家だけどマンションの部屋じゃないからね?間違えて階段から落ちないでね、寝るんだよ?と、諭すように言ったら、うん…分かった…大丈夫。と、言った。

会ってしまえば終を迎えてしまうのではないかと思う。

俺がいなくなってもひとりで生きてゆけよ。なんて言った先生がひとりでは駄目になっている。